10月17日、一橋大学、北京大学、高麗大学による第3回Asia Trilateral Seminarが開催されました。

2019/11/01

20191017_1_miyagawa.jpg
   
宮川 大介准教授
 
   
20191017_2_Ick.jpg
 
Ick Soo Kim教授
 
   
20191017_3_Xiaotian.jpg
   
Xiaotian Zhu教授
 
   
20191017_4_Insik.jpg
   
Insik Jeong教授
 
   
20191017_5_Yue.jpg
   
Yue Cheng専任講師
 
   
20191017_6_sasaki.jpg
   
佐々木 将人准教授
 
   

 10月17日、一橋大学ビジネススクール経営管理専攻(HUB-SBA)、北京大学HSBCビジネススクール(PHBS)、高麗大学校ビジネススクール(KUBS)の共催で、「Technological Change and Development of Business Model in Japan, Korea, and China」をテーマに、第3回Asia Trilateral Seminarが開催されました。
 これは、日・中・韓の各国を代表する3つのビジネススクールが、1年ごとに各国でセミナーを開催し、アジアの経営・経済に関する最新の研究成果を発表するものです。一昨年はソウル、昨年は東京で開催され、今年はアジア屈指のハイテク都市として近年急速に知名度が高まっている中国・深圳(しんせん)が研究会の舞台となりました。現在、この地には中国の有名大学が分校を作り、優れた人材を集めています。北京大学、清華大学、哈爾浜工業大学などのキャンパスが集まり、アカデミックな教育・研究の集積地域となっています。
 報告では各大学の教員によるプレゼンテーションが行われました。最初の報告者である宮川大介准教授(一橋大学)の「Big Data & ML/AI in Social Sciences: Some Business Applications」では、現在、高い注目を集めている機械学習(ML)や人工知能(AI)の社会科学への応用について報告されました。監査に関する日本企業との共同研究の成果からは、大企業に対しては人間の方が、小企業にはAIの方が不正発見の精度が高い等たいへん興味深い知見が明らかにされました。
 Ick Soo Kim教授(高麗大学)の「Strategic Implications of Chaina's Digital Transformation」では、現在の中国のAI産業の実情について、教育・研究開発・人材育成等の幅広い応用例として、無人コンビニや、ロボットが配膳するファーストフード店等の6つの先導的な事例が示され、中国におけるこの分野の最先端の取り組みが紹介されました。
 Xiaotian Zhu教授(北京大学)の「Ecosystem Strategy Driven by Technology Innovations: Cases from China」は、中国における近年の急速な企業発展の理由をエコシステムの概念を用いて明らかにしようとしたものです。当地で有名な平安グループの事例を題材にして、自動車、小売、金融、ヘルスケアの分野での関連あるエコシステムの形成が、同社企業の急成長につながったことが明らかにされました。
 これらの現在進行中のホットな発表に対して、Insik Jeong教授(高麗大学)、Yue Cheng教授(北京大学)、佐々木将人准教授(一橋大学)からそれぞれ視点が異なる有益なコメントが寄せられ、質問に基づいて発表者と討論者の間で議論が交わされました。急速に変化していく東アジアでのビジネスの現実と理論の最先端について、各国の経営学研究者が討議することで、東アジアの未来のビジネスチャンスの実像が明らかにされるとともに、それが同時にかかえる社会的問題点も浮き彫りにされました。
 翌日には、ファーウェイおよびテンセントの企業見学が行われました。来年度は、韓国ソウルでの開催が予定されています。


セミナー参加者の記念撮影
田中 一弘教授(左から9人目)、Jae Wook Kim教授(KUBS:左から10人目)、
Pengfei Wang教授(PHBS:左から11人目)