高田直樹先生が組織学会高宮賞(論文部門)を受賞しました。

2019/06/18

 2019年6月1日・2日、駒澤大学において2019年度組織学会研究発表大会が開催され、本学の大学院を修了した高田直樹先生(横浜国立大学先端科学高等研究院特任教員(助教))が、栄えある組織学会高宮賞(論文部門)を受賞しました。この賞は、40歳以下の若手研究者の優れた論文に対して与えられるものであり、経営学の分野で高い権威をもつものです。

20190617takadaname.jpg 高田先生は、2009年、一橋大学商学部を卒業後、大学院商学研究科(現、経営管理研究科)に進まれ、同大学院において修士号、博士号を取得されました。

 今回、高田先生が受賞された研究論文は、「共同研究開発を通じたイノベーションの実現要因:プロジェクトレベルの要因がもたらす影響」と題するもので、複数の企業の研究開発プロジェクトにおいて、イノベーションを実現するために必要な組織内の協働のあり方を解明したものです。

  具体的には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けた研究開発プロジェクトを研究対象として、これに参加した数多くの研究者に質問票調査が行われました。この調査では、研究開発プロジェクトの自律性ならびに、プロジェクト内部および自社内他部門との情報共有が、どのようにして技術的成果や事業化につながるのかが明らかにされました。その結果からは、情報共有のプロジェクト成果に対する有効性が示されましたが、同時に、意外にも自律性がプロジェクト内部の協働に影響を与えないことや、自社内他部門との協働が技術的成果に影響を与えにくいなどの傾向も判明しました。これらの結論は、私たちの予想に反するたいへん興味深い結果です。本研究の組織論的な知見が、今後の研究開発プロジェクトのより一層の発展に貢献してくれることは間違いありません。

 一橋大学大学院経営管理研究科(HUB)は、日本における商学・経営学研究者の教育の拠点として、これまで数多くの研究者を輩出してきました。近年も本学で教育を受けた若手研究者が、国内外の学会で目覚ましい活躍ぶりを示しています。東京商科大学の伝統を引継ぎ、日本で最も歴史ある商学・経営学教育機関として日本の研究をリードしてきた本学は、その教育を通じて幾多の優れた実業家のみならず、数多くの優れた研究者を全国の大学に提供してきました。その多くは、全国各地の商学部・経済学部等の大学教員として活躍しています。今後も社会科学分野で大学教授を目指す若き英才に対して、一橋大学大学院は魅力ある教育を提供します。

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