一橋大学政策フォーラム「ポストコロナの経済活性化に向けて ~企業の新陳代謝の促進と日本の成長戦略~」(2/28)

2023/03/28

一橋ビジネススクール(HUB)で、「ポストコロナの経済活性化に向けて~企業の新陳代謝の促進と日本の成長戦略~」(主催:一橋ビジネススクール(HUB)、共催:みずほ証券、協力:金融財政事情研究会)と題した政策フォーラムが、2月28日に一橋講堂で開催されました。この政策フォーラムは、今年で18年目を迎える「みずほ証券寄附講座」の公開講座として、学部生や大学院生のみならず、一般参加も募り実施されたものです。当日は、それぞれの領域で豊かな知見をお持ちの先生方にご登壇いただき、ポストコロナの日本経済活性化の課題について、経営不振企業の問題、企業の成長戦略の問題を経済学、法学、経営実務の観点から多角的に議論が展開されました。

基調講演では、経済学の観点から星岳雄氏(東京大学大学院 経済学研究科長・経済学部長)より、企業が抱える問題が財務的危機なのか経済的危機なのか見極めることの難しさと、そうした中での企業支援のあり方についての発表がありました。法学の観点からは、加藤寛史氏(中小企業活性化全国本部 統括事業再生プロジェクトマネージャー)より、中小企業活性化協議会による中小企業支援の具体的な制度と概要について詳しい紹介がありました。

第2部では、中西正氏(同志社大学大学院 司法研究科教授・神戸大学名誉教授)をモデレーターとしてパネルディスカッションを行いました。冒頭、本学の植杉威一郎教授、安田行宏教授からの企業支援策を考える上で視点に関する意見に続いて、みずほ証券の須賀宏典氏(みずほ証券株式会社 企業公開第一部・二部 部長 兼 イノベーション企業戦略部業務開発室長)から株式市場の動向と日本の競争力、スタートアップ・エコシステムの課題やIPOの実現などについて、実務に絡めお話がありました。

パネルディスカッション前半では、基調講演を踏まえて、「過剰債務となってはいるが、事業自体に問題がない企業」、「過剰債務となっており、事業にも問題が生じている企業」、「ゼロゼロ融資を受け、債務がさらに膨張し、問題はより深刻化している企業」という3つの企業分類に対して、資金繰り支援策がもたらした正の効果と負の効果の問題点について話し合われました。後半では企業の事業再生と清算について企業の新陳代謝の促進という観点で深く談論が行われました。

今回、本シンポジウムは非常に多くの方が関心を持たれていて、オンラインでも多数の方にご参加いただきました。今後の日本経済の再生について考える、貴重な機会となりました。

【プログラム】
総合司会|三隅 隆司(一橋大学大学院 経営管理研究科教授・付属図書館長)

■開会の辞・ご挨拶
加藤 俊彦(一橋大学大学院 経営管理研究科長・商学部長)
白川 至(みずほ証券株式会社 常務執行役員)

■基調講演1(経済学の視点)
星 岳雄(東京大学大学院 経済学研究科長・経済学部長)

■基調講演2(法学の視点)
加藤 寛史(中小企業活性化全国本部 統括事業再生プロジェクトマネージャー)

■パネルディスカッション
モデレーター(座長)
中西 正(同志社大学司法研究科教授・神戸大学名誉教授)

パネリスト 講演者5名 
星 岳雄(東京大学大学院 経済学研究科長・経済学部長)
加藤 寛史(中小企業活性化全国本部 統括事業再生プロジェクトマネージャー)
須賀 宏典(みずほ証券株式会社 企業公開第一部・二部 部長 兼 イノベーション企業戦略部業務開発室長)
植杉 威一郎(一橋大学経済研究所教授)
安田 行宏(一橋大学大学院 経営管理研究科教授)

■閉会挨拶
小西 大(一橋大学大学院 経営管理研究科教授・ファイナンス研究センター長)

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