【一橋大学の科研費研究】「革新的新製品コンセプトの効率的共有手段の研究」/古江 奈々美(経営管理研究科 講師)

2025/02/27

科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究費」です。ピア・レビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行います。研究者によるピア・レビューという検証プロセスの利点は、研究計画の妥当性を専門家の視点からより正確に判断できるほか、応募者にとって、同じ分野の研究者に自分の研究がどう評価されるかを知る機会にもなっています。このことは、とりわけ若手の研究者にとって一つのインセンティブになっているといえます。本学の研究環境は研究大学としての文化や風土が根付いており、新規課題採択率は、例年全国1位を獲得しています。

今回は、古江奈々美先生の科研費研究「革新的新製品コンセプトの効率的共有手段の研究」についてご紹介いたします。

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古江 奈々美

経営管理研究科講師。福岡県出身、2014年一橋大学商学部卒業、2018年にスタンフォード大学Center for Design Researchへ研究留学、2019年一橋大学大学院商学研究科修了(博士:商学)。2019年東京理科大学経営学部助教を経て、2023年より現職。「プロダクト」にフォーカスしたマーケティングの研究、すなわち、新商品のアイデア創造やコンセプト企画等に着目し、アイデア発想時の思考プロセス、顧客ニーズの探索・検証方法、革新的なコンセプトの効果的な共有方法について研究している。

研究テーマ:「革新的新製品コンセプトの効率的共有手段の研究」

研究期間(年度):2023 - 2026  研究種目:若手研究  審査区分:小区分07090:商学関連

研究計画:

新製品開発において重要なコンセプトを洗練させていく必要があるが、十数年先の長期の未来市場を見据えた「革新的」な新製品のコンセプトに関しては、飛躍があるために周囲から理解されにくいため、良質なフィードバックを得ることが難しい。本研究は、革新的な新製品のコンセプトを、瑕疵なく他者に共有するために最適な方法を確立することを目的とする。革新的な新製品のコンセプトに対する他者の反応および認識を検証するための実験調査を設計し、コンセプトの共有方法を変えた際の、他者の反応および認識の変化の具体的内容について実証的に明らかにする。