2025/03/05
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去る12月7日、経営管理研究科 博士後期課程3年・孫彦鵬(ソン ゲンホウ)さんが、日本ベンチャー学会による「2024年度 第19回清成忠男賞 論文部門 奨励賞」を受賞しました。同賞は、ベンチャー企業および企業家活動支援等に関する研究の奨励に資する優秀な論文および著書を審査選定して、その業績を顕彰するものです。受賞論文は、孫さんが所属する加藤俊彦研究室(経営管理研究科)出身の岡本和久さんとの共著論文となります。
受賞論文:「既存企業間の競争と後発企業への対応」
受賞者 :岡本和久さん(高崎商科大学講師)
孫彦鵬さん(一橋大学大学院経営管理研究科博士後期課程3年)
*2024年度 第19回清成忠男賞 論文部門 奨励賞 受賞者
<孫彦鵬さんのコメント>
修士課程の頃から企業の競争戦略に関心があり、研究を進めてきました。今回の論文では、圧倒的な競争地位を有していた既存企業が、後発企業によって逆転されるプロセスを既存企業間の競争という観点から検討する、これまでにない新規性のある研究として取組みました。先行研究では、既存企業が後発企業に対抗できない要因として、技術革新、組織的硬直性、取引関係といった視点から議論が展開されてきました。私たちは、これらの議論を踏まえつつ、既存企業間の競争関係が後発企業への適応に与える影響に着目することで、既存企業の硬直性問題に新たな視点を提示しました。具体的には、既存企業は後発企業の脅威に適応するよりも、従来の競争相手である他の既存企業への対応を優先し続ける傾向があるため、結果として後発企業に対抗できなくなるというメカニズムを示しました。
今後は、後発企業がどのような競争戦略で成長を遂げるのかというテーマに取組みたいと考えています。そして、そうした研究の成果が学問的な意義だけでなく、実際の経済社会に貢献するものとなることを目指していきます。