2025/01/20
科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究費」です。ピア・レビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行います。研究者によるピア・レビューという検証プロセスの利点は、研究計画の妥当性を専門家の視点からより正確に判断できるほか、応募者にとって、同じ分野の研究者に自分の研究がどう評価されるかを知る機会にもなっています。このことは、とりわけ若手の研究者にとって一つのインセンティブになっているといえます。本学の研究環境は研究大学としての文化や風土が根付いており、新規課題採択率は、例年全国1位を獲得しています。
今回は、石田惣平准教授の科研費研究「相談役・顧問制度に関する実証研究」についてご紹介いたします。
研究テーマ:「相談役・顧問制度に関する実証研究」
研究期間(年度):2021 - 2024 研究種目:基盤研究(B) 審査区分:小区分07100:会計学関連
研究計画:
相談役・顧問とは、社長等であった者がその地位を退いたあと、現役の経営陣への助言や対外活動の支援を行う目的で設けられた役職です。他方、近年では、相談役・顧問が現役の経営陣に対して不当な圧力を及ぼしていることが指摘されており、その削減・廃止が迫られています。このような背景から、本研究は日本企業を対象として、相談役・顧問制度に関するデータベースを手収集により構築し、その役割や問題点を実証的に明らかにすることを試みています。このような多面的な検証を通じて、相談役・顧問制度の在り方に関して、実務的・政策的な含意を得ることができるであろうと考えます。