2026/04/02
去る3月18日、学位記授与式当日、別館中会議室にて、第58回内藤章記念賞論文入選者の表彰式を行いました。
内藤章記念賞は、本学の前身となる東京高等商業学校、東京商科大学において、銀行論、金融論、貨幣論等の講義を担当された故内藤章先生の門下生が、昭和42年12月、本学学生の金融論、貨幣論等の研究を奨励するため、一橋大学に内藤章記念賞基金を寄付され、毎年1回、広く学部及び大学院の学生から論文を募集するものです。表彰式に出席した入選者には加藤俊彦理事・副学長(教育統括)より表彰状の授与と祝辞が贈られました。
ESG 開示義務の市場安定化効果は制度設計に依存するか
~アジア地域における導入主体・遵守方式の異質性に着目して~(1等)
経営分析プログラム 福元 結和さん(2026年3月修了)
この度は、素晴らしい賞を賜りましたこと大変光栄に思います。本論文は、学部・修士課程、そして米国留学を含む私の5年間にわたる大学生活の集大成でした。
しかしながら、本受賞は決して私一人の力によるものではありません。5年間を通じて熱心にご指導くださったたくさんの先生方、ともに切磋琢磨し心の支えとなってくれた学友たち、私たちの学びを日々陰で支えてくださる大学職員の方々、学生生活を通じて学費以上のご支援を賜り、学業に専念できる環境を与えてくださった育英会、如水会の皆様、そして、日常生活を温かく支えてくれた両親。本当にさまざまな方のご指導とサポートの上に本受賞が成り立っていること、生涯を通じて決して忘れません。
今後はいったん実務の世界に進みますが、再び学術の世界に立ち返る可能性も見据えつつ、日々自らが社会に最も貢献できる在り方を問い続け、その答えをもって、皆様からのこれまでの支えに応えていければと考えております。この度は誠にありがとうございました。
ステーブルコインからの資金逃避行動に関する分析(2等)
金融戦略・経営財務プログラム 小林 啓介さん(2026年3月修了)
この度は、名誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。
今回の受賞はひとえに根気強くご指導いただいた指導教員である大橋和彦先生(経営管理研究科教授)をはじめ、私の相談に快くご対応いただいたFSプログラムの先生方のお力添えのおかげです。
また、授業やゼミで切磋琢磨し、さまざまな議論を交わした同級生の皆さんの存在も、本論文を作成する上で欠かせない礎となりました。皆様に心より感謝を申し上げます。
本研究は、私自身が暗号資産市場の実務に携わった中で、ステーブルコインという新しくも従来の金融資産と関わりの深い存在に対して、経済学やファイナンスの枠組みによりその性質を明らかにしたいという思いから出発したものとなります。
分析にあたっては、大橋先生からより良い分析や研究の方向性について貴重なご示唆をいただいたほか、中村信弘先生(経営管理研究科特任教授)にはBS式を用いたオプション価格の推定方法からどのようにステーブルコインに応用するかなど、本論文の最も重要な参考文献における分析手法について、何度もご相談させていただきました。
本論文では金融危機時におけるステーブルコインからの資金流出について、安全性や流動性の側面から実証的に分析を行いました。ただ、これはステーブルコインという興味深く、不思議なアセットの一端にスポットを当てたに過ぎません。MBAの2年間で得た学びをもとに、今後もより多角的な視点から分析を進めていきたいと思います。
最後になりますが、審査委員の皆様、金融戦略・経営財務プログラム(FS)の先生方、そして同級生の皆様に改めて深く感謝いたします。
本邦株式市場における新規上場銘柄の高頻度取引の実態(2等)
金融戦略・経営財務プログラム 水野 豪さん(2026年3月修了)
この度は、名誉ある賞をいただき、心より光栄に思っております。一橋ビジネススクール金融戦略・経営財務プログラム(FS)での2年間は、私にとってかけがえのない経験となりました。
本論文は、新規上場銘柄に焦点を当て、高頻度取引が発生する過程を分析したものです。論文執筆にあたっては、仮説の構築からデータ分析、論理展開に至るまで、膨大なデータ処理に苦戦をしましたが、大橋和彦先生のご指導のもと、粘り強く取り組むことができました。
先生からは、研究の進め方だけでなく、物事を多面的に捉える視点や、細部にまでこだわる姿勢を学びました。
最後に、熱心にご指導くださった先生方、共に学び切磋琢磨したゼミ生、そして日々支えてくれた周囲の皆様に、心より感謝申し上げます。
アクティビストが日本企業の株主還元政策へ及ぼす効果の実証分析
~投資家の類型化を通じて~(佳作)
経営分析プログラム 阿部 哲士さん(2026年3月修了)
この度は内藤章記念賞への入選を賜り、誠に光栄に存じます。ワークショップにて手厚くご指導・ご助言をいただきました篠沢義勝先生(経営管理研究科教授)をはじめ、学士・修士課程の6年間にわたりご教示いただいた一橋大学の先生方に、心より感謝を申し上げます。
また本論文の入賞は、ワークショップ等の場で、ときに厳しくも真摯に議論を交わし、机を並べて共に真剣に研究に向き合った同級生の存在なしでは成しえなかったものだと感じております。この場を借りて、尊敬する友人に囲まれ、切磋琢磨できたことに、深く感謝いたします。
修了後には金融の世界に身を投じますが、本研究を通じて、先生方や同級生の皆さまからご助言をいただきながら、仮説の検証を繰り返し、試行錯誤を重ねた経験は、今後必ずや自らの糧になると考えております。
このような貴重な機会をいただき、素晴らしい経験をさせていただいたこと、そして素晴らしい方々に恵まれたことに、改めて心より感謝を申し上げます。
日本企業におけるCFOの年齢と企業価値
~CFO交代イベントを用いた実証分析~(佳作)
経営分析プログラム 奥田 貫人さん(2026年3月修了)
この度は内藤章記念賞に入選の栄誉を賜り、大変光栄に思っております。金融に関する優れた研究を対象とする本賞において、自身の研究を評価いただいたことは、金融実務に携わる者として大きな喜びであり、励みとなります。
MBAでの学びを通じて、これまで実務の中で当然のように扱ってきた金融や企業経営の諸現象を、理論的な枠組みから捉え直す機会を得ることができました。大学院での学びと実務を並行する中で、理論を実務に照らし、また実務で抱いた疑問を理論の視点から捉え直すという「理論と現実の往復運動」を経験することができました。本論文も、実務の中で抱いた関心を出発点として、日本企業におけるCFOの設置や特性が企業価値や財務政策に与える影響について実証的に分析したものです。
論文の執筆にあたっては、指導教員である篠沢義勝先生より、終始丁寧なご指導を賜りました。また、金融ワークショップのメンバーからも多角的な視点や助言をいただき、本研究を完成させることができました。この場を借りて心より感謝申し上げます。
今後は、MBAで培った理論的な視点と分析力を生かし、金融実務の中で企業や市場への理解をさらに深めながら、金融の専門性を基盤に、経営に近い視点から企業価値の向上に貢献できるよう努めてまいります。
