【一橋大学の科研費研究】「減損計上が内部資本市場へ及ぼす影響」/三代 まり子(経営管理研究科 特任助教)

2026/07/23

科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究費」です。ピア・レビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行います。研究者によるピア・レビューという検証プロセスの利点は、研究計画の妥当性を専門家の視点からより正確に判断できるほか、応募者にとって、同じ分野の研究者に自分の研究がどう評価されるかを知る機会にもなっています。このことは、とりわけ若手の研究者にとって一つのインセンティブになっているといえます。本学の研究環境は研究大学としての文化や風土が根付いており、新規課題採択率は、例年全国1位を獲得しています。

今回は、三代まり子特任助教の科研費研究「減損計上が内部資本市場へ及ぼす影響」についてご紹介いたします。

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三代 まり子

米国テキサス大学サンアントニオ校卒業(会計学)。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程修了(MBA)。米国公認会計士(カリフォルニア州)。 新日本監査法人(現・EY新日本有限責任監査法人)を経て独立 。国際統合報告フレームワークの開発に参画し、上場企業を中心に統合報告および企業価値向上支援に従事。2025年一橋大学大学院経営管理研究科博士後期課程修了。2025年一橋大学博士(商学)。2025年度一橋大学ジュニアフェロー、2026年度一橋大学非常勤講師。
研究上の関心は、会計が経営者の意思決定や学習行動に与える影響にある。

研究テーマ:「減損計上が内部資本市場へ及ぼす影響」

研究期間(年度):2025 - 2027 研究種目:研究活動スタート支援 審査区分:0107:経済学、経営学およびその関連分野

研究開始時の研究の概要:

本研究は、固定資産の減損処理という財務報告上の行為が、企業内部における資本配分の意思決定に与える影響を実証的に検討するものです。従来の会計研究では、減損損失のタイミングや程度が企業特性・ガバナンス要因・外部監査等によって決定されることが注目されてきましたが、減損処理「後」の経営行動、特に事業部間の資本配分における影響については十分に明らかにされていません。本研究では、減損が単なる財務的な損失認識にとどまらず、経営者の意思決定プロセスや戦略の見直し、さらには組織内の学習や認知の変容に結びつく可能性があるという仮説のもと、量的・質的アプローチを併用して多面的に検証を試みます。