2026/08/18
科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研究費」です。ピア・レビューによる審査を経て、独創的・先駆的な研究に対する助成を行います。研究者によるピア・レビューという検証プロセスの利点は、研究計画の妥当性を専門家の視点からより正確に判断できるほか、応募者にとって、同じ分野の研究者に自分の研究がどう評価されるかを知る機会にもなっています。このことは、とりわけ若手の研究者にとって一つのインセンティブになっているといえます。本学の研究環境は研究大学としての文化や風土が根付いており、新規課題採択率は、例年全国1位を獲得しています。(令和8年度は日本学術振興会(JSPS)により集計・確定中)
今回は、寧東来(ニン トウライ)特任講師(ジュニアフェロー)の科研費研究「株式市場の価格形成効率におけるESG情報開示の役割」についてご紹介いたします。
研究テーマ:「株式市場の価格形成効率におけるESG情報開示の役割」
研究期間(年度):2026 - 2029 研究種目:若手研究 審査区分:小区分07060:金融およびファイナンス関連
研究計画:
本研究は、企業によるESG(環境・社会・ガバナンス)情報開示が株式市場の価格形成の効率性に与える影響を実証的に検証する。価格形成の効率性とは、市場価格が企業のファンダメンタルズや将来リスクを正確かつ迅速に反映する度合いを指す。近年、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)など国際的枠組みの整備と各国での義務化の進展により、ESG情報開示の重要性がさらに高まっている。本研究は、自主的開示と義務的開示の効果を比較し、それぞれの開示動機が価格効率性に与えるメカニズムの相違を明らかにすることで、企業・投資家・規制当局に有益な政策的示唆を提供する。